ハロー、ベイパー。
Vaper諸氏でも愛用されている方がちらほら見えるIQOS(アイコス)。言わずと知れたフィリップ・モリスの加熱式タバコです。
マスコミ報道でも「アイコスは莫大な開発費を投じていて、従来の紙巻タバコよりも健康的である」という一種のコンセンサスが取れるほどに、市場に普及してきた大ヒット商品であります。
しかし、そんなアイコスの大躍進に歯止めをかけてしまうかもしれない、「健康被害」に関する新たな報道が入ってきました。
これは同じ加熱式である「Glo(グロー)」も同じ矢面に立たされている話であります。いったいどういうことなのでしょうか。
IQOSは健康的ではない?
こちら(非喫煙者)から訊いてもいないのに、紙タバコから新型タバコ(電子タバコ、非燃焼・加熱式タバコ)へと転向した人々が、決まって口にする定番の弁明が幾つかある――。
彼ら曰く「これまでのタバコよりも健康リスクが少ない」「受動喫煙の危険性もない」、あるいは、煙がない/見えにくいのをいいことに「禁煙エリアでも吸える」と蒸気を吐いている。
しかし、それは「都市伝説」みたいなもので、どれも科学的根拠はない。しかもここへきて、各国の専門筋が有害警告を鳴らし始め、愛好派は追い詰められている。
なかでも、加熱式タバコの世界的な代表格、フィリップモリス社の「IQOS(アイコス)」が、米国立衛生研究所(NIH)と米食品医薬品局(FDA)の資金提供下で行なわれたラット実験の報告によって、名指しで健康被害の可能性を指摘された一件は象徴的だ。
少なくとも「禁煙エリアでも吸える」はマナー的に完全アウトなんですよねぇ。
IQOSは血管に悪影響!?
IQOS(アイコス)は血管に悪影響を与える――。11月11~15日にアナハイムで開催された米国心臓協会(AHA)の年次集会の場で、前掲の実験を担ったカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究班はそう言い切った。
Matthew Springer氏(UCSF医学部循環器内科学教授)らによるラット実験の具体的内容は、次のようなに単純明快なものだった。
「①IQOSを加熱した蒸気」「②紙巻きタバコ(マルボロ)の煙」「③清浄な空気」のいずれかをラットに曝露させた上で「血流依存性血管拡張反応(FMD: flow-mediated dilation)検査」によって血管内皮機能を評価した。
まずは、<1回を15秒間>として<5分間に10回>の曝露を実施した。次いで<1回5秒間>の曝露を同じ<5分間で10回>試みた。
すると前者の実験結果で、①のIQOS組が58%、②のマルボロ組で57%、ラットの血管内皮機能が低下した。後者の結果でも、①のIQOS組が60%、②のマルボロ組で62%の低下が読み取れた。
つまりIQOSもマルボロも「同程度の低下」が認められたというのだから、IQOSの発売元フィリップモリス社は穏やかではない。というのも、今や複数国で販売されて大ヒット商品のIQOSだが、肝心のお膝元である米国内では許可されておらず、目下、前出のFDAに承認を申請している最中なのだ。
マルボロ(普通のタバコ)と、IQOSでほぼ血管の機能低下は変わらないということですね。
タールの影響か、ニコチンの影響かが断言されていないですが、少なくともタールは紙を燃焼させていないのでかなり少ないとは思うんですけどね。素人判断では、怖い。
これまで同社は、「摂氏600度でタバコ葉を燃やす」従来の紙巻きタバコは有害物質を含んだ煙を発生させるが、「摂氏350度で加熱する」IQOSは、ニコチンを含む蒸気こそ生じるものの煙は出ない――。依って「紙巻きタバコより安全」と主張してきた
事実の裏付けなく<従来のタバコよりも害が少ない>と主張
全米での販売許可を申請中――というタイミングでの今回の手痛い実験報告。研究陣によれば、血管内皮機能の低下は「動脈硬化」をもたらし、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを高め、循環器系での反応は「ヒトとラットで極めて似ている」ため、今回の結果が「ヒトにも当てはまる可能性が濃厚」である。
「加熱式タバコは、煙こそ出さないが、その蒸気は血管状態を悪化させる、いろいろな化学物質を含む。どの化学物質が問題なのかは、具体的には判明はしていないが、最大の問題はやはりニコチンではなかろうか」(Springer氏)
通常、学会発表された研究報告は査読を受けたのちに医学誌上に掲載されるまでは「予備的なもの」と見なされる。ところが、時期が時期だけにSpringer氏らは「IQOSの承認過程で我々の研究結果が考慮されるべき」と所望する。
フィリップモリス社の主張に対しても「事実の裏付けがないにもかかわらず、従来のタバコよりも害が少ないなどとうたうべきではない」と手厳しい。
一方、日本呼吸器学会も先日、一連の新型タバコ類の人気急上昇ぶりを懸念し、「紙巻きタバコと同じく推奨できない」という明確な見解を表明した。
新型タバコは「受動喫煙被害が少ない」とする擁護論/弁護論に対しても、呼気を特殊なレーザー光線で照射すると「大量なエアロゾル(蒸気)を吐き出していることが確認」されている。
とりわけ、電子タバコ愛好者の呼気には「(紙巻きタバコの煙よりも)クロムやニッケルなどの重金属濃度が多く含まれている」と、警鐘を鳴らしている。
こうして「白」を「黒」にひっくり返すオセロ状態のような趨勢下、これまでの根拠薄弱な「紙巻きよりも安全」説が殲滅される日も近いだろう。それこそ煙には巻けない愛好派は今後はどうなる、どうする?
個人的にはニコチンの害よりも、副流煙(エアロゾル)であったり、タールの害に着目してほしいなと思った文言です。
いずれにしても健康に良いと思って吸っている人は少数派でしょうけども、IQOSやGloが発売されて日がたってきたことから、こういった健康被害に関する説が様々出てきているのは注目に値します。
Vaperとしては、Vapeのエアロゾルがどこまで悪影響を他者に及ぼすのかが、気になっているんですけどね。日本呼吸器学会も「推奨できない」として公式声明を出しましたし、ややVape/電子タバコ/加熱式タバコに分が悪い話が続いています。どうなる、この未来!
ソース:事実の裏付けなく<従来のタバコよりも害が少ない>と主張|健康・医療情報でQOLを高める~ヘルスプレス-HEALTH PRESS
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